No020 壁面緑化への急成長登攀の神秘

ヘデラ・ヘリックスとの、根圧・蒸散力での成長対比
  

アイラトビカズラ2 植物の高さはキリンの首の高さどころではなく、世界で最も高いセコイアやユーカリは、その高さが80メートルをこえるものもある。
 大気の圧力によって、真空の管内で水を上昇させる力は10メートルが限度である。
 モーターを使用して、80メートル水を引き上げるのは相当の動力が必要である。しかし特別な能力を持つ植物には神秘性を感じる。

  現在の総論では、根の細胞の持つ根圧という水を押し上げるしくみと、葉の細胞の持つ蒸散力という水をひつぱり上げるしくみによるもので、両方とも溶液の持っている浸透圧に由来する。
 導管の一番先端は、根の細胞につながっていて、そこには濃度の少しずつ違う細胞がぎっしりとならんでいる。溶液は半透性の細胞膜を透して、薄い方から濃い方に向かって流れる。そこで、根のいちばん先の土壌水分に接する細胞の溶液がもっとも薄く、その隣りの細胞、さらにその隣りの細胞と、内側に向かって少しずつ濃くなっている。
 そのため、土壌水分は自然に外から内への  

ヘデラ2

流れとなっている。この流れは非常に微弱なものではあるが、導管の先端を取り巻く細胞は何万もあるから全体としては大きな力になり得る。
 導管に入り込んだ溶液は上に登るしか行き場がないため、大きな力で押し上げられることになる,この力を根圧という。

 ところで,導管は根から葉に達するごく細いの
ガラス管のように機械的である、生命的な役割は果たしていない。

 導管は幹や枝を束になったまま通過して、葉に入ると枝分かれして、葉の先端近くに到達る。葉の中の分岐した導管部のうちで太いものは、葉脈として肉眼でも見ることが出来る。
 導管の先端部はまた何千、何万という葉の細胞として接しているが、ここでは根とは逆に、導管に接する細胞の溶液がいちばん薄く、順々に少しずつ濃い溶液を持つ細胞が外側に向かって並んでいる。
 したがって,それぞれ細胞膜を隔てて、う水溶液から濃い方に向かって自然の流れが生じる。とくに外気と接しているもっとも外側の細胞が蒸発すると、その内容はさらにに濃くなるから、いっそう強いながれとなって、導管の水を引っ張り上げる。
 葉の細胞が導管内の水分を引き上げる力を蒸散力といって、何万の細胞がいっせいに行えば、全体としては強く管内の水を引き上げる力となる。この根圧と蒸散力の総和によって、土壌中の水分が、樹木のてっぺんの高さ80メートル以上に上昇していく。
 とくに蒸散力の働きは、葉が水を失えば失うほど力が強くなり、自動的に地中から多量の水を上昇させ、夏期には蒸散力が増し急成長する。
 
  ここで紹介する、アイラトビカズラとヘデラ・ヘリッ

対比

クスの1年半経過の根の状態を対比させてみた。

 
 アイラトビカズラは無数の細根があるが、ヘデラ・ヘリックスには細根は少ない。アイラトビカズラの細根は
ヘデラ・ヘリックスの何倍も細根がある、成長する早さは歴然とした違いが出てくる。
 また葉による蒸散力では、ヘデラ・ヘリックスは葉の細胞が荒く表面が固いが
アイラトビカズラは葉の表面は薄く細胞は密である、蒸散能力は大きい。

 特性から対比さすと、1年間の成長する早さはヘデラ・ヘリックスとアイラトビカズラでは5~6倍の違いが現れる。早期のグリーンウォール(壁面緑化)を創作するには、アイラトビカズラの方がヘデラ・ヘリックスより優れており、美しい緑化空間で潤いのある街作りを夢見る。

上段アイラトビカズラ根写真、写真中段1年半栽培細根の違い写真、下段ヘデラ・ヘリックス根写真。
参考文献 : 春田敏郎(植物はふしぎがいっぱい)

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